電気料金の二重払い
引越しで気をつける点(2008/6/15のブログ)の一番に挙げたのが
https://free-paper.info/blog/2008/06/15/3052/
http://free-paper.blog.so-net.ne.jp/2008-06-15
・電気:二重払い
今回は物語風にまとめました。
「こちらは公共電力です。本日の営業は全て終了しました。ご用の
方は平日の朝九時から夕方五時までの間におかけ直し下さい。停電
など緊急の方は1をダイヤルして下さい。」
時刻は金曜日の深夜零時。公共電力の営業時間はとっくに終わっ
ている。しかし、G氏は電話機の1のボタンを押した。
「はい、公共電力です。」
「緊急ではないんですけど、電気料金のことでちょっと。」
ああ、自分としたことが。G氏は思っていた。普段のG氏は、電
話をした時にはその内容や相手の名前、日時はもちろん、最初に電
話に出た相手の名前までも詳細にメモをとっていた。そして、電話
が済むとそのメモを元に電子メールを送って内容の再確認をするの
が常だった。といっても誰もが電子メールを使っている訳ではない。
そういう時もファックスでの確認は欠かさなかった。ところが、相
手が公共電力ということで油断していたのだった。
それは金曜日の夜11時過ぎ。G氏が家に帰ると電力会社からの
郵便が来ていた。電気料金の請求書か。よく見ると以前の住所に送
ったものが転送されてきている。何だろう。
中を見る。
・使用期間1月29日~2月27日。
・使用量65キロワット時。
・料金1980円。
・口座引落3月10日。
あれ、前のアパートから引越したのは1月の13日だぞ。それが
2月になっても電気を使っているなんて、どういうことだ。あわて
て通帳を見てみると、1980円が既に引き落とされていた。どこ
だかの銀行じゃあるまいし、二重引き落としされるなんて。
怪しい気配はあった。新居の電気料金が口座引き落としにされず、
振込み用紙が送られてきていたのだ。前の口座がそのまま継続でき
るはずなのにおかしい。すぐに問い合わせると、まだ手続きが済ん
でいませんので、しばらくお待ち下さいとのことだった。更に次の
月も振込用紙が送られてきた。再度問い合わせると、銀行合併の影
響で手続きが遅れているとか。そんなはずはないだろ。
などと思っていると受話器から声がする。
「はい、構いませんよ。でも、今はコンピュータが止まってるので
調べられませんが。」
電話の奥の声は、何だ、停電とか漏電とかではないのかと拍子抜
けした感じ。G氏は一部始終を説明し、調査をお願いして電話を切
った。
月曜になって公共電力から電話がかかる。
「誠に申し訳ありませんが、引越しの手続きがされていないみたい
です。」
何という怠慢。二回も催促したにもかかわらず、実は何の手続きも
されていなかったとは。
お上が一番信用できないんだ。G氏はどこぞやのNGO代表と同
じことをつぶやく。公共電力は公共企業だけれど、あくまで会社。
お上ではないんだが。
もちろん、二重払いになった電気料金を返してもらったのは言う
までもないが、いつもの詫び状を取ったかは記憶が定かでない。