携帯電話のお話
 星 期一


1.ケータイは便利だぞ
 今日は、星期一です。1995年の夏まで携帯電話(デジタル)の開発をやってて、試作機を5台作ったんだけど。[今はFOMAの基地局の方の開発をしてます]。ちゃんとIDO(現au)と契約して電話番号ももらったし。しか〜し。今や携帯電話なんて、値段があってないが如し。この価格破壊では弱小会社ではとても太刀打ちできん。てえ訳で、自分のいた会社では商品化を断念した次第です。
 という星期一ですが、せっかくの機会ですから(何がせっかくなんだか)、携帯電話について、簡単にお話ししていこうと思います。デジタルからスーパーデジタルへ、FOMAの開発をやってる今となっては古くさいネタですが、FPに掲載したものをアレンジしながら載せていきます。疑問点などありましたら、メールなり掲示板なりでお問い合わせ下さい。お話の順番としては、次のように進めて行くつもりです。
    ☆携帯電話は便利だぞ
    ☆携帯電話等々の種類
    ☆携帯電話の仕組み
 まずは「携帯電話は便利だぞ」というお話から。
 携帯電話が便利だなんてことは、みんな良く知ってると思うけど。自分の家で電話をするとき、みんなどうしてますか。受話器を持って話してますよね。もし、電話機から離れて話をしたい時、いったいどうする? 所さんのテブラを使ってれば、受話器を持ってなくても話はできる。だとしても、電話機から離れたら声は届かないっしょ。「もしも〜し」と叫んでみたところで、10mも離れたら聞こえる訳がない。
 じゃあ電話のコードを延長すればいいって? それはいいアイデアかもしれない。でも、コードを延長できるといってもせいぜい10mでしょ。コード引っ張ったまま、100mも移動できるもんか。
 こういう時に便利なのがコードレス電話。電話機から離れたって話ができる。とは言っても、親機から離れて使えるのもせいぜい100mが限度。
 てな訳で、もっともっと便利なのが携帯電話なんだよな。似たようなものにPHSってのがありますけどね。
 ある晩、女の娘とデートの約束。ところが仕事が長引いてしまったのか、約束の時間が過ぎても彼女は現れない。一体どうしたんだ。彼女の家に電話してみても、「まだ帰ってません」という家の人のつれない返事。職場にもいないようだし。待ち合わせ場所を間違えたかな? しかし、約束の場所を離れるわけにもいかないし。そして結局、女の娘とは会えずじまいでした。この時ほど、携帯電話があったらなー、と思ったことはなかったッス。[今じゃ考えられないね、こんな間抜けなこと]
 今度は別の朝、バイクで駅まで出かけそこから電車に乗った。電車に乗ってしばらくして、ポケットに手を突っ込んで背筋がゾー。「ヤベー。」 なんと、バイクのキーがない!! あのキーホルダーにはバイク、車、家、全てのキーが一緒なんだ。あ〜、バイクに付けっぱなしにしてきちまった。(同様の経験をされた方が他にもいらっしゃったような) 急いでいるから、電車を降りるわけにはいかないし。こういう時に便利なのがPHSよりも携帯電話。PHSはサービスエリアは拡がりつつあるものの、高速で移動中、特に電車の中では使えませんから。早速交番に電話して、パトロールの時にキーを抜いておいてくれと頼んだ訳です。おかげさまでバイクは盗まれなかったし、泥棒にも入られずに済みました。
 とまあ、デートに、110番に便利な携帯電話ですが、某ツーカー電話の人の話では、近頃は家の中で使われることが多いそうな。つまり、彼氏(あるいは彼女)の家に電話したとき、家の人に取り次いでもらうのはちょっと嫌だなー。でも、携帯電話があればもう安心。一発で相手が出るんだから。[相手が必ず出るのが携帯電話のいいところなんじゃん]
(続く)

 皇紀2655年8月15日 「携帯電話のお話」講義より
 Free Paper 1996.6 Vol.78に掲載したものを元に書き改めています。
(C)1996−2003 星 期一

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