東洋人の超能力講座
 謎の東洋人


その4. 「マーフィーの法則」は危険!?(FP 1994.11)

 今月は「潜在意識と願いの関係」についてお話しすることになっていますが、その前に、ちまたで流行の「マーフィーの法則」について少し苦言を呈したい。「何事も、失敗する可能性があれば、いずれ失敗する」と言った類の法則とやらです。「マーフィー100の成功法則」って本は、もう20年も大昔に出ているのに、何で今更そんなものが流行るのかな? と、東洋人はナゾに思っていたのだよ。ところが、ASCIIから出ている本を見てびっくり。中に書いてあることは「成功法則」とはまるっきり逆さま、はっきり言って「失敗法則」の書かれた本だ!!
 ご存じない方のために、いくつか例を挙げましょう。

A.「何事も、失敗する可能性があれば、いずれ失敗する」
B.「起きてほしくないことほどよく起こる」
C.「ネガティブな期待からは、ネガティブな結果が生じる。ポジティブな期待からは、ネガティブな結果が生じる」
D.「失敗の可能性が、いくつか予想される場合、最初に起こるのは、最悪の事態である」

 日常生活の中で起こりがちな不思議なことを集めて「法則」と名付けたものです。あ、なるほどと思わせるものも多く、読者の共感を呼ぶのでしょう。これらの「法則」をよく見てみると、すべて結論は「ネガティブ」であることに気づかれると思います。要するに、「世の中上手くいく訳きゃないさ」というテーマがその背景にあるのです。確かに、こういうものが流行りそうな時勢ではあるけれども…。
 ところで、誰も好き好んで失敗したい人なんていないでしょう。できることならポジティブな結果を生じさせたい。ところが、先程の「法則」にあるように「ネガティブな結果」「最悪の事態」と言った言葉を口ずさんでいると、潜在意識はそれを願いとしてきいてしまうのです。その結果、法則通りに最悪の事態となってしまう。「世の中は上手くいかないものだ」と誰もが思っていたなら、潜在意識はその方向に働き、やっぱマーフィーの法則って正しいんだ、などと思ってしまう。
 もうお分かりでしょう、世にはびこってきた新たなマーフィーの法則は、危険極まりないのです。あ、なるほどと納得して読んでいると、無意識的にマイナスのイメージを潜在意識に刻み込んでしまう。そして潜在意識は、あなたが描いたとおりのマイナスイメージを、そのまま実現してしまうのです。
 『もうひとつのマーフィーの法則』(産能大学出版部)に載っていた法則に「ことわざとは、『確かにその通り』と思わせても、同じくらい説得力のある反対のことわざが見つかるものである」というのがあります。
 つまり、危険極まりないマーフィーの法則も、裏返してみれば成功法則に他ならないわけです。では、どのような願いを潜在意識に伝えればよいのでしょう。

A'.「何事も、失敗する必然性がなければ、決して失敗しない」
A''.「何事も、成功する可能性があれば、いずれ成功する」
B'.「思っても見なかったことは決して起きない」
C'.「ネガティブな期待だけでは、結果は生じない。ポジティブな原因からは、ポジティブな結果が生じる」
D'.「失敗の可能性が、いくつか予想される場合であっても、最後に起こるのは成功である」

 潜在意識に伝えた願いは、その通りに実現するのです。今回はそういう結論だけを述べまして、具体例、潜在意識への伝え方はまた次回ということで。

(C)1994-2003 Free Paper

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