携帯電話のお話
星 期一
3.携帯電話の仕組み
携帯電話はISDN(スマップが宣伝してた「64、64、128」)と同様な電気信号を使います。無線だろうが線で繋がってようが、電話という点は同じです。
では、携帯電話の特徴は何だ。それは無線管理と移動管理です。
カーラジオを聴きながらドライブしてて、電波が弱くなると地元局にチューニングし直す、という経験を皆さんお持ちかと思います。携帯電話もそれと同じ。サービスエリア内を移動して基地局の電波が弱くなると、隣の基地局にチャンネルを切り替えます。もちろん自動的に。そして圏外になると表示したり、アラームを鳴らしたり。無線が途切れないようにチェックする、これが無線管理です。
その昔、携帯を持ったまま遠くに行って160キロメートルを超えると、電話番号が変わってしまいました。電話番号がまだ10桁の時代に、頭の3桁が030から040に変わっちゃう。通話料が全国一律ではなく距離によって違った頃、相手の携帯が遠くにいるから通話料が高いってことを知らせるためだったようですが、もちろん不評。「040で掛け直してください」みたいなアナウンスがされるんだから、東京から名古屋なんかに行ってしまえばバレバレ。
遠くに移動したのを誰がチェックしてるのかって。それは彼氏や彼女。という話ではなくて、これも携帯電話のシステムが自動的にやってます。どこに移動したかをチェックする、これが移動管理です。ちなみに、既に新規加入も終了したクイックキャスト、これがポケットベルと呼ばれていた頃、自分で「位置登録」をしてました。ポケベルは電波を出さないので、自動的に位置登録されないからです。
ところで、前回お話しした盗聴はヤバいけど、もっとヤバいのはニセモノ。いわゆるクローン携帯です。日本ではそれ程問題となっていませんが、アメリカなんかじゃハッカーが人の電話番号を使って、バシバシかけまくってるという話。そんな請求書が来た日にゃ、大変だぜ。で、それを防ぐために秘匿、認証機能があります。なぜかこれも移動管理に含まれるんだ。
一通り携帯電話のお話をしました。これであなたもハッカーになれる?
訳ないやな。もし、その類の話を聞きたい方は、お問い合わせ下さい。ナイショですが…。
3回にわたる連載ご愛読いただきましてありがとうございました。マナーも一緒に携帯して下さい。
by ☆KEYでした
皇紀2655年8月15日 「携帯電話のお話」講義より
Free Paper 1996.8 Vol.80に掲載したものを元に書き改めています。
(C)1996−2004 星 期一
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